永久歯が生え揃うスペースを作る
子供の矯正歯科治療の一つである、エキスパンダー(急速拡大装置)を用いた治療は、お子様の歯並びを美しく整えるために、早い段階から行える矯正治療です。
装着時は違和感はありますが、慣れれば負担なく装着できますので、安全・安心な小児歯科治療です。
お子様の歯並びが気になった時、いつくらいから矯正歯科治療を始めるかは、親御さんの大きなお悩みかと思います。
矯正の方法には様々ありますが、そもそも顎の骨格が狭いと歯が生え揃うスペースがなく、どんな矯正治療をしても、上手くいかない場合があります。
それらを予防するために、エキスパンダー(急速拡大装置)を用いて顎の骨格ごと広げる処置を行います。
これは、顎がまだ柔らかいうちに施術することで効果が見られるからです。
また、エキスパンダーは上顎より下顎の成長が早いお子様は上下両方のエキスパンダーが必要になります。
エキスパンダーを使うことで、それぞれのお子様の骨格を整え、永久歯がキレイに生え揃う事を目的としています。
上顎を広げる矯正装置 エキスパンダーは、7歳〜8歳で開始するのが一般的です。
エキスパンダーの特徴と注意
顎の歯列や顎骨を側方、前方に広げる装置がエキスパンダー(急速拡大装置)です。
主に、乳歯は抜けはじめ、永久歯が生え揃うまでの間に装着します。
装着した後は、親御さんがスクリューを巻いて顎の骨を拡大させていきます。
顎に装着する装置ですので、つけているかどうかは、大きな口を開けないと分かりません。
外からは見えにくい矯正装置です。
ただし、ご自身での取り外しはできません。
定期的に歯科医院に通院していただき、顎の骨の状況をチェックしていきます。
- 装着した後で、装置のネジを回すことで、上顎の(側方、前方)への成長を促進させます。
- 取り外しはできません。
- 装置の中央にある穴に針金を入れてネジを回します。
- ネジ回しは、通常、夜(就寝前など)に行います。
- 1回で0.2mmほど拡大され、ネジ回しのペースは必ず歯科医師の指示にしたがってください。
- 忘れずに、決められた回数、ネジ回しをすることで効果が得られます。
エキスパンダー治療の流れ
レントゲン撮影
Panoramicと呼ばれるお口全体のレントゲンを撮影します。Panoramicがないと保険会社が治療費のクレームを拒否する可能性もありますので、エキスパンダー治療が必要だと証明するためにも必要になります。
検診
ドクターによる検診・治療計画を立てます。虫歯など治療の必要な歯がある場合は、虫歯治療が完了してからエキスパンダー治療が開始になります。
虫歯治療
治療が必要な場合は治療します。
スキャン
3Dスキャナーで上の歯、下の歯、噛み合わせをスキャンします。
エキスパンダー製作
3Dスキャナーのデータをラボ(技工所)に送りエキスパンダーの製作に入ります。製作には約2週間程かかります。
エキスパンダー装着
ラボから患者様用にカスタマイズされたエキスパンダーが届きましたら、装着します。
ネジの回転
毎晩ご自宅で親御さんがスクリューを巻いて拡大します。
検診
2~4週間毎に来院していただき、顎の拡大の状況をチェックします。
エキスパンダーの治療費
アメリカでは加入している保険会社または保険プランによってエキスパンダー治療費が違います。
加入している保険ではエキスパンダー治療をカバーしないプランもありますので、保険については当院日本語スタッフまでお問い合わせください。
日常の歯磨き
装置の裏には食べ物のカスが溜まりやすく不潔になりやすいです。
装置部分は細かいブラシで丁寧にケアし、他は普通の歯ブラシでブラッシングしてください。歯にくっつきやすい食べ物は避けましょう。
痛みや違和感について
装置装着時は、最初は痛みが生じますが、たいてい数日で痛みは無くなります。
エキスパンダーは自分では取り外すことのできない装置ですので、最初はお子様にきちんと説明しながら、一緒に見守っていきます。
その他自覚症状が現れる事もありますが歯科医師の指示にしたがって相談してください。